ユーモラスな池:ヘルトォーク&ドムローンとアイ・ウェイ・ウェイ

ロンドンは先週末から急に晴天続き、今日は30度を越えました。秒読み段階のオリンピックの熱気が天にも伝わったのでしょうか?ミュージアムもいたるところで関連の展示をしています。

ケンジントン公園内にあるサーペンタインギャラリーもそのひとつ。
あの北京オリンピックスタジアムの「鳥の巣」を創った、
スイス建築家ユニットのヘルトォーク&ドムローンと中国のアーティスト、アイ・ウェイ・ウェイがふたたびコラボレートし、
ロンドンの公園に建築オブジェがお目見えしたのです。

いっしょに観に行こうと、友人と現地で待ち合わせしたのですが、
先に到着した彼女が、「池のそばで待ってるよー」と携帯メールをくれました。
「池?あのへんに池なんかなかったぞー、そうか、アーティストが作ったに違いない」と想像する私。
すぐいくよーと返信しながらギャラリーに近づいていくのですが、池なんてぜんぜん見えてきません。
と、向こうの方で友人が手を振っているのが目にはいりました。
「池なんて、ないやーん」と心で叫ぶやいなや、なんと、目線のまっすぐまん前に池!

つまり、土地のゆるやかな起伏を利用して、目の高さに池をしかけたのです。
構造的には、ちょうど二枚貝のようで、上のほうが人口の池、その下(垂直に真下)には、複雑な形状をしたベンチやステップができており、ちょっとしたカフェになっています。
少し高いところから見下ろせば、確かに池で、鏡のように公園の緑や赤レンガのギャラリーの建物が映りこんでいる。
この意表をつく出会いに、なんだか口角が緩んでしまったのです。

友人といっしょにお茶でもしようと池の下に入っていくと、今度は足元からユーモアが伝わってきました。
見た目には石製のステップやベンチやテーブルが、ぜーんぶコルクでできていたからです。
外見上は硬い物質と思って込んでいたものが、触れれば柔らかで暖く、またしても意表をつかれた次第。

彼らの作品は、わたしたちの視覚的なイメージやそれに付きまとう固定概念、感触というセンスと戯れているようです。
お茶じゃなくてやっぱビールよね、とチョイスを変えて、貝の中でわたしたちの会話も弾みました。

serpentain pavilionimage (c) Iwan Baah

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