異星人ロックスターが降り立ったのはロンドンのど真ん中⁉ デビッド・ボウイ「ジギースターダスト」ジャケット撮影地

 

こんにちはー!ジギ子です!随分ご無沙汰してしまいました。。

イギリスは長ーいロックダウンが緩和されて、今週やっとレストラン等が開きました!

いやー、本当に長かった。お店もパブも完全に閉鎖されて、街の中心にも人っ子一人居ないし、浮世を忘れるかと思ったくらい。

 

でも、街が閉まっているから行くべき所があるのでは?と、ジギ子は気付いた!

それは!デビットボウイの傑作アルバム「ジギー・スターダスト」のアルバムジャケット撮影ポイント!

どうしてロックダウンだから行こうと思ったかは、後で書くとして、

「ジギー・スターダスト」と言えば、異星から救世主としてやってきたロックスター、ジギー・スターダストの栄枯盛衰を描いた、ボウイの長いキャリアの中でも代表作と言われるアルバム。

ジギーという架空のキャラクターにボウイ自身がなりきって、それまでには無かったロックの形を世界に叩きつけた一枚!

ジギ子の原点(笑)!

 

地球に落ちてきたジギーが薄暗い路地裏のゴミ捨て場でギターを持ってこっちを見ている不思議な世界観を醸し出したあのジャケットは、

その内容とシンクロして聴く者のイマジネーションを無限大に広げてくれる。

私なんか広げられすぎて宇宙の彼方まで行っちゃって、辿り着いたのはロンドンだった!

私の人生を変えてしまった一枚なのだ。

 

その撮影場所はどこにあるかというと、ロンドンのど真ん中、賑わう目抜き通り、リージェンツ・ストリート。

・・・から、一本奥に入ったところにある「Haddon Street」こそが、そこなのだ。

バーバリーだのカールラガーフェルドだの大型高級ブランド店の裏に、ジギー落下地点があるとは!超びっくりよ!

 

初めて訪れたのは我が人生初の一人旅の時、80年代の終わり。

ネット検索は勿論、ロックゆかりの地ガイドなんてのも日本には無かったけれど、

英語の本にこの通りの名が小さく書かれいているのを見つけ、蛍光ペンで線引いて、ロンドンに行ったら絶対行くのだと決めていた。

だってジギ子だから(笑)!

 

当時、この通りはこんな感じだったな~。(写真はウエブからの借用。私が行った時と同じ頃に撮られている)

©PopSpots                     

私が訪れた時は冬で、アルバムジャケットと同じ夕闇の中。

賑やかな大通りから一歩入っただけで、だあれも居ないし、カメラなんか出したらヤバそうな雰囲気…。

在英20年、怖いもん無しの今ならなーんてことないシチュエーションだけれど、

ヤングな娘っ子観光客だった私は、ドキドキと感動で、写真を撮るのも忘れ、その雰囲気に浸ったのだった。

ジャケットと同じ古風な街灯のオレンジ色の暗い光が、小さな通りを妖しく照らし出していた。

 

そして下が今の様子。ロックダウンの間に撮ったもの。

アルバムジャケットと同じ角度で撮ってみました。

壁が白く塗られ綺麗になって、昔の暗いイメージとは変わっているけれど建物はそのまま!(正面の建物が外装工事中で残念)

ジギーが立っていたのはこの観葉植物がおかれている辺り。

手前のレトロな街灯が撮影時のままで、なんとか頑張って当時の面影を残してくれている。

 

ではでは、何故私がロックダウンの間に、この地に来ようと思ったか?

理由は、今となってはこのエリア人気のレストラン街で、規制緩和でレストランが開けば、下の様になってしまうからだ!

 

見え~ん!!

路上にはみ出したテラス席とモサモサの観葉植物でジギーが立っていた場所が完全に見えん!

おいおい!ここをどこだと思ってるんだ!ロックの世界遺産レベルの聖地だぞ!

これじゃアルバムジャケットと同じ角度から写真を撮るのは無理。

昔は人っ子一人居なかったこの道も今では洒落たレストランが立ち並ぶトレンディーエリア、

しかもテラス席を売りにするレストラン街として開発されてしまったのだ。

 

ちなみにこの恥ずかしげもなく張り出してテーブルを出しているMOMOという有名なモロッコ料理レストラン。

前に一度だけ行った時、素敵なバーテンダーにカクテル一杯おまけしてもらったから、文句言い辛いけど、

ブルドーザーで突っ込んで、テラス席を一掃したい!

世界中からやって来るボウイファンが楽しくジギーポーズを決められるようにしたいわ。

 

そんな訳で訪れる度にゆらっと怒りを覚えるジギ子ですが、ジギーが立っていたあの場所はそのままで、そこには立つことが出来ます。

それだけでも感謝せねば。

立っていた場所を正面から見るとこんな感じ。

壁には2012年にアルバム発売40周年を記念して取り付けられた記念プレートが。

「ジギー・スターダスト」!

 

ロンドンには歴史的人物の縁の建物に、その人の名が入った記念プレート(ブループレートなど)があちこちにある。

で、ここはボウイの代表的なアルバムのジャケ写現場と言う事で、普通なら「デヴィッド・ボウイ」と刻まれるはず。

しかし刻まれた名前はあえて「ジギー・スターダスト」!

だってここはジギーが降り立った場所であって、デビッド・ボウイじゃなかったから。

そうそう!さすが!そう来なくちゃ!

 

実はこんな風に架空のキャラクターの名前が記念プレートに刻まれる事は稀で、

星の数程ある記念プレートの中でも、この他にはシャーロック・ホームズ、ララ・クロフト、ハリー・ポッターの3点しかない。

とっても、とっても、レアなプレートなのだ。

 

さて、そんなわけで今はオサレで賑やかな道になったHeddon Streetだけれども、

どうしてここが、あの名作のジャケット撮りスポットになったのか?という事に触れておきましょう。

 

1972年1月13日のこと、

当時この通りにあったフォトグラファーのブライアン・ワードのスタジオ内で、

アルバム用の写真撮影をしたボウイと彼のバンド、スパイダーズフロムザマース。

スタジオ撮影の時間が押してしまって外が暗くなり始めたので、まだ陽があるうちに外に出て写真を撮ろうと言う事になった。

 

しかし外は生憎の冷たい雨。

バンドのメンバー達が外に出たがらなかったため、仕方なくボウイ一人がレスポールのギターを片手に外に出て撮影をすることに。

でもその時ボウイは酷い風邪を引いていて、風邪が酷くなるといけないので出来るだけ近場で手早く済ませようとスタジオの前あたりで撮影し始めたのだけれど、とりたててアクセントになる物のないこの裏通り、あるのは「K WEST」という毛皮店の看板ぐらい。

だから、その下に立って撮影をすることに…。

その結果があの写真なのだ!

 

そんな偶然で写真に写り込む事になったこの看板はアルバム発売後、「K WEST(ケイウエスト)」を深読みするファン達が「QUEST(クエスト)」=探求する、という裏のメッセージがあるのだと、まことしやかに語り始め、これが伝説になった。

 

ロック名作アルバムのジャケットにはそういう深読みミステリーがつきものだけれど、(ビートルズの「アビーロード」のジャケットに写っている車のナンバーとかね)偶然の産物がこのアルバムに箔をつける事になったわけ。

 

時間が押してしまったバンドの写真撮影も幸運なアクシデントの一つ。

北国ロンドンの冬は午後4時位に夕闇が迫るので、あの写真が撮られたのもその頃ではと推測できる。

不安感を誘う薄暗闇に街灯がゆるいスポットライトとなって、ぽつんとジギーを照らし出した。

そして一番重要なのが生憎だったはずの冷たく降る雨。

道路を濡らした雨は光を妖しく反射させて、まるでこの道が異星に繋がっているような錯覚を起こさせる。

ここを手で隠すと分かるけれど、雨がなければこの時空を越えた感は出ていなかったのだ!

これに関しては写真を撮ったブライアン・ワード自身も雨はかなりあの写真にとってラッキーなものだと言っていた。

 

あの魔法の様なアルバムジャケットは計算されたものでは無くて、すべて偶然に導かれて出来上がった物だったのだ。

 

「ジギー・スターダスト」アルバム一曲目の「5Years」の中に”And it was cold and it rained so I felt like an actor”(寒くて、雨が降っていた。まるで役者のような気分だった)という一節があるけれど、

このジャケット写真が本当にそんなシチュエーションの中で撮られたのだと知ると感慨深くなってしまう。

 

2016年1月13日、突然ボウイの訃報を知らされたあの日、ジギ子はいちはやくここに駆け付けた。

 

この場所には、すでに花や、メッセージや、ボウイの写真なんかで一杯だった。

Heddon Streetレストラン街は大音響でボウイの曲を流し、人々がただただ離れがたそうに集まっていた。

私は悲しいというより何か非現実的な感覚に包まれながらその雰囲気に浸っていたのだけれど、

このまま帰るのはちょっと空しいなと思っていたら、友人もここに来ると言う。

 

特にボウイファンという訳でもない友人だけれど、やはりこのニュースはショックだったらしい。

合流してあれこれ話した後、私は思いついた事があったので友人にお願いした。

「カラオケ付き合って…!」

そして、そばにあるカラオケ屋に突入、ジギ子は店にあるボウイの楽曲を全て歌い尽くす事にしたのだ。

 

次から次へとボウイ曲を涙目で歌いまくる私に、

友人がポテチをポリポリしながら20曲目位のところで呟いた。

「ジギ子、一人ボウイトリビュートコンサートだね…。」

 

へたくそなカラオケを絶唱しながら、冷たい雨が降るあの裏通りにギターを片手に立っているあの人の姿が、涙目の裏に浮かんでは消えた。


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