サステーナブルな旅・ウェールズ2020
「どう?この絡み合ったカップルみたいなやつは?」と、シャーロンが、土からニンジンを引っこ抜きながら、笑ってみせてくれた。
「他に何がいる?ロシアン・ケールなんていけるのよ」
ケールとは、日本ならあの「青汁」で有名な、肉厚のいかにも栄養素の高そうな野菜だ。
彼女の広々とした野菜畑で、あれこれと教わりながら、あっという間にバケツがいっぱいになった。
「あ、卵と蜂蜜も入れてください」
シャーロンの宿に着いた時、出迎えてくれたのは放飼いの鶏やアヒル、鴨たちだった。
敷地の奥では、ミツバチも育てている。
温室では、ウエールズの気候では育ちにくいハーブや果物、ブドウまで育てている。
ここはウェールズの中央「アーティストの谷」という名の渓谷。
主要道から離れ、中型車が一台通れるくらいの曲がりくねった細い道を10 分ほど走ったどんづまりにある宿だ。
もともとロンドンの人材派遣会社で働くキャリアウーマンだったシャーロンが、30年前に耳の聞こえないパートナーとこの土地に移り住み、さまざまな木を植え、エコ農業を始めたという。
B&Bでありながら、ひとびとにサステーナブルな自然との共存を伝える教育システムにもなっている。
ここでは、排水も排泄物も含め、すべてを循環させる環境システムをつくっている。
思えば、人間の身勝手な活動のせいで、地球の大きなシステムが壊れたことが、現在のコロナの根元にあると思えば、
このウエールズの山中にきて、ただ、窮屈で暑い都会から離れてリラックスしているだけではないより重要なことを気づかされる。
ところで、シャーロンの宿のシステムの大きな役割を担うことになったのが、ある動物たちなのだが、そのことは次のブログでお伝えすることにしましょう。
ともかくも、スイスチャードもケールも、個々の野菜の独自の風味がいきるよう単純な料理をした。
あの不味い!もう一杯と、冷やかされた野菜が、独特の優しい甘みがあり、歯応えがあり、とても美味しかった!
2週間ほど、ウエールズで過ごします。