クリスマスの祝い方の歴史へご案内 @ ロンドン、ジェフリー博物館
ロンドンの東に、ジェフリー博物館という家の内装の歴史を辿るミュージアムがあります。
中世から現代までの中産階級のおうちの内部を再現したユニークな博物館です。
クリスマスの時期、それぞれの時代のクリスマスの祝い方もみることができて、とても面白いの。
ロビンがそこにいって写真撮ってきたので、みなさんにご案内しますね。
まずは、ここが正面。18世紀の救貧院が、博物館になったんです。
大きなクリスマスツリーが迎えてくれました。
まずは、17世紀のおうちの中だよ。
壁は木のパネルで覆われています。
どしんとした木のテーブルには、きれいなクロスがかけてあります。その上のセッティングはクリスマスイブのデザート。
お砂糖菓子がとても貴重だったのね。ナシの形に似せたり、卵やベーコンみたいにして、とても楽しい。
大きなコースターみたいなのは、お菓子用のお皿。
ナイフとフォークがないの気をつけてね。だって、ナイフやフォークはもっと後の時代につかわれるようになったんだ。
暖炉のまわりには、エヴァーグリーンで飾られています。
今のようにいろんな色の飾りはなくてとてもシンプルだけど、枯れない木々は長寿を祈る気持からきたクリスマス以前の風習なんだって。
さて、お次は18世紀のクリスマスの日のお祝いの様子。
インテリアが、ぐぐっと明るくなりました。 テーブルのセットもちょっとなじみがあります。
そう、ナイフとフォークが登場したんだよ。
この頃の、クリスマスのメインディッシュは、ローストビーフとプラムのプディングだったんだって。
七面鳥は、19世紀にアメリカから来た新しい伝統なんだ。
壁の額縁の上に、エヴァーグリーン(このときはヒイラギ)がかさられてるよ。
さて、18世紀も終わりになると、こんな感じになるの。
このセッティングは、クリスマス十二夜(1月6日、クリスマスの12日間のお祝いの最後の日)のもの。
テーブルの真ん中に、どかんとケーキがあります。
ケーキを囲んで、家族がみんなで余興をします-キングとクィーンごっこです。
ケーキの中に干した豆がはいっていて、それがあたった人がキング、青豆がはいっていたらクィーンになるの。
たとえそれが召使さんにあたったとしても、この日ばかりは、ご主人や奥様にキングやクィーンとして仕えられるんだって。
無礼講ってやつね。ロビンも王冠かぶって、誰かに世話してもらいたい。
19世紀も半ばのヴィクトリア時期には、家のなかに物が溢れてきます。
まずは、クリスマスツリーの登場!もともとドイツの風習だったけど、この頃には王室を通して庶民に広がったのね。
クリスマスカードを送るという伝統も、この時期に新しく作られたものです。
テーブルの上にあるのは、こどもたちの「ノアの箱舟」のおもちゃ。ところで、ウサギは箱舟にのったのかなあ。
次は、1900年代のはじめごろのおうちのようす。
部屋中に緑の飾りつけ。
クリスマスツリーの下には、プレゼントがおいてある。
ソファーの上には、子供たちへのプレゼントが大きな靴下にいれる用意をしています。
この靴下詰めは、アメリカの伝統。っていうか、そもそもアメリカに移民したオランダ人の伝統なんだって。
こちらは、ぐぐーっと馴染みのある風景。
1950年代のクリスマスの様子です。
天井からは、紙の飾りつけ。クリスマスツリーは本物の木ではなくてプラスチック。そこにはきらきらした電気がついてます。
床の上にばらまかれてるのは、子供たちのプレゼント。クリスマスの中心は子供たちなのよね。
そして、これが現代の様子。
クリスマスツリーは、ホンモノの木に戻りました。
このおうちには、暖炉がないから、クリスマスカードは窓にぶら下がって、部屋の飾りつけになっています。
テーブルの上には、クラッカーといって、おとなりに座った人同士でひっぱりあって、中からでてくるゲームをしたり、紙の冠がはいっていて、キングやクィーンになります。
そうそう、昔のゲームの名残なの。
いやあ、クリスマスって、おうちの飾り方も違えば、食事も違う、そいで祝い方も違ってくる。
伝統がつながっていることもあれば、外国から輸入されたり、新しく発案されたり、
その時々の家族のあり方によっても、変化したのですねえ。
面白いなあ。
日本のクリスマスやお正月のお祝いはどうですか?
みなさんの子供の頃と違ってきましたか?
とにもかくにも、
Merry Christmas!!!
(基本情報)
ジェフリー博物館
10時から17時
クリスマスの飾りつけは、1月4日まで (ただし、12/24・25・26と1/1はお休み)
このブログは、アートローグの看板ウサギのロビンによって書かれています。
アートローグは、ロンドンを拠点にユニークな文化の旅や日英のミュージアムコーディネートの仕事をしています。
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