神秘思想家スウェーデンボルグを知っていますか?
「大英図書館でエマニュエル・スウェーデンボルグの初稿本がみたいんです。」
3年前、そういうお客様の言葉で、スウェーデンボルグという人を知った。
そのためにわざわざ日本からいらっしゃるというわけで、
そんな引力のある人はいったいどんな人なのか興味をそそられた。
でもその時、残念ながら、所蔵しているはずの大英図書館では、その初稿本は修復のため展示から外されていて、みていただくことがかなわなかった。
その後、あるとき、ロンドンの市街地を歩いていたら、「スウェーデンボルグ協会」という看板を目にして、あ、っと思ったのだけれど、忙しさにかられて、そこを訪ねる事はなかった。
ところが、今年はじめ、そのお客様から連絡があり、またロンドンにいらっしゃるとの事、
もし、できるなら、先回は果たせなかった事に再度挑戦したいとおっしゃる。
それで、その「協会」に連絡をとって、アポイントメントをとることができた。
自分でも簡単な予習をしてみると、
18世紀のスウェーデン生まれ、貴族の称号をもち、当時、名の知られた科学者・神学者で、イギリスなど各地で活躍した。
興味深いのは、優れた科学者であると同時に、神秘思想家で、生きながらにして霊界に旅し、その体験を多くの著作の中で語っていることだ。
また、彼の信奉者にそうそうたる人々の名前がのぼっていることも面白い。
たとえば、ヴィクトル・ユーゴ、ドストエフスキー、ヘレン・ケラー、ゲーテなどなど。彼の著作を日本語に翻訳したのは、あの鈴木大拙だ。
スウェーデンボルクは晩年をロンドンで過ごし、この地でなくなっている。
だから、彼を研究するための協会ができているのだろう。
協会では、初稿本(1700出版)を実際に手にとってみていただいただけではなく、スウェーデンボルクの手書きの日記(コピー)や彼が使った机をみていただいた。
3年越しの念願を果たされてご満足いただいた。