新しいシャーロック像:BBCシャーロック

シャーロック・ホームズ」を21世紀に蘇らせた BBC ドラマ「シャーロック」がおわりました(悲しいけど、たぶん。。)。

イギリス本国では、2017年のはじめにシリーズ4が公開されました。(第一作は2010年)

さてはて、あれからどうなったのか? モリアーティーは生きているのか?

これがまた、予想だにしなかったような、驚きの展開が待ってますのです。はい。

日本のみなさんは、まだ先に見るからプロットには触れませんっ!約束する。

 

でも実はね、このシリーズ、イギリスではみんなの評価はそんなによくないのよ。視聴率も前より低いらしい。

しかしだ。「ロビン」にはすんごく面白かったよ〜。

たしかに、お話の展開が奇怪で辻褄があってないようにみえる。

前の回じゃあ、ジョンがピストル突きつけられて、絶対絶命だったはずなのに、なあんで、また平然とでてくるわけえ?とか、

なあーんで絶海の孤島の要塞がシャーロックの生家になッちゃうわけとか。

ビュンビュンと時空飛んでる。ロビンも頭クルクル回ったさ。

そういえば、永年の名サスペンスドラマ「ツイン・ピークス」がどんどん抽象的になっていくのにも似てると思った。

 

でも、不思議にぐぃぐィーっと引き込まれたから、2回見た。

2回見たら、わかったわけよ。あ〜なるほどって。

一回見ただけでは駄目なんだね。つまり、それくらい深くて、前の回からちゃんと伏線がはられてて、よく全体が作り上げられてるってこと。

作る側が丹念に説明しなくったって、ドラマ見る人が想像力を使えば、きちんと繋がるように仕上げてある。

作る側がドラマ見る人を信頼しているからできるってこと。

だから、1回見ただけで、なんじゃこれ〜?? でおしまいにしないでホシイ。

ドラマは逐一手とり足取り説明してくれると期待するんじゃなくて、あなたの想像力を働かせてほしい。

それこそが、シャーロックだから。

 

あなたが、古典シャーロックのように主人公の明晰な頭脳と科学的な手法で問題を解決していていくことを期待していたなら、

そりゃあ、ハズレかもね。

でも、この「シャーロック」の「新しさ」はそこにはないのよ。

特に最後に行けば行くほど、人間「シャーロック」に迫ってると思う。

シャーロックの感情の高ぶり、シャーロックの弱さ。危うさ。ジョンとの友情。兄との複雑な関係。

あるいは、ギリギリの状況での三人の絶妙なかけひき。

あるいは「もう一人の兄弟姉妹」との隠された関係−最後には癒やされていく関係。

モリアーティーの実像と虚像。

ジョンの妻、メアリーのちょっと冷たいけど、愛に満ちたナレーション。

そっちの方にこのドラマの本当のテーマがある。

めくるめくスリリングな展開の中に、登場人物の心理描写がみごとでした。

それを表現した役者、カンバーバッチやフリーマンは、やっぱすごいと思うよ〜。

あの印象的な音楽も忘れがたい。

 

コナン・ドイルが残したシャーロックは、過去いろいろなドラマや映画になって、

それぞれに特徴ある素晴らしい作品になったけれど、

BBC「シャーロック」は、そのどれとも違う。

それは単に現在のロンドンの設定で、現在のテクノロジーを駆使しただけじゃない、「新しさ」がある。

そういうわけで、間違いなくその殿堂入りをしたと、ロビンは思うのです。

でも、ああ、終わっちゃったな〜。喪失感が残るのもよいドラマだった証拠だね。。。。

Miss You 〜。

 

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このブログは、アートローグの看板うさぎロビンによって書かれています。

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