よい品に囲まれた暮らしの豊かさ:ウィリアム・モリスの思いと繋がる四国のカーテンショップ
先日、徳島県でカーテン・壁紙などインテリアのお店を経営なさっているご夫妻をご案内しました。
最初の問い合わせメールで、
「ウィリアム・モリスやリバティーなど、カーテンをイギリスから輸入していて、こういう商品がどんな環境から生まれたのか是非その地を訪ねてみたい」
とのご希望をいただきました。
そのメールをみて、旅にパーソナルで大事な思いがこもっているお客様だと思い、背筋を正しました。
ロンドンでご案内したのは、
ヴィクトリア&アルバート美術館 /モリスの新婚宅−レッドハウス /リバティーデパート/ジョン・ルイスデパート
コッツウォルズでは
モリスの別荘ケルムスコット・マナー/モリスが愛した村バイブリー、他でした。
ご案内の途中で、御主人に、今、カーテンというとどの国が一番なのですか?
とお尋ねしたら、「王道ならやはりイギリスですね」とのお返事。
カーテンといえばイギリスなんて・・・恥ずかしながら、わたし知りませんでした。
壁紙もイギリスなのだそうです。
ウィリアム・モリス所縁の地をご案内した時に、
奥様は、こんなすごい仕事を手掛けた人なのに、彼の人生は寂しかったかもしれませんね、と言われました。
もちろん、モリスと妻と友人の三角関係の事をおっしゃっていたのだと思います。
そんな彼自身の制作の裏にあるパーソナルな部分、それを超えていく彼のエネルギーもご理解いただいたようで嬉しい限り。
ジョン・ルイス・デパートにお連れした時には、
ものの量も質も、ディスプレイの仕方もすごいとビックリされたり、ワクワクなさったりしました。
平日の昼なのにたくさんの人がいて、店内に気軽に相談できる環境があるのを、羨ましそうにみていらっしゃいました。
わたしとしてはお客様のそんな反応も、正直、思ってもみないことで、
お二人に聞いてみると、今の日本のデパートのインテリアコーナーはどんどん床面積が減っていて、人が少ないのだそうです。
その原因は、安くものを売る一握りのブランドが大きなシェアーを占めてしまい、そちらに流れてしまっているそうです。
そのお話を聞いて、わたしのアタマは勝手にモリスの時代背景とダブらせてしましました。
モリスは、粗悪なものが量産され、人々も物欲に流され、もので溢れたヴィクトリア時代の反逆児。
そんななかで、本当に良いもの、自分なりの豊かな生活空間にこだわりを持って、
望むものがないなら自分で生み出そうと物をつくり、ビジネスをおこした人、それがウィリアム・モリスです。
彼の影響は世界に広がり、今も人々を魅了し続けています。
こうして、四国からも訪ねていらっしゃいます。
ご案内したお客様も、徳島県阿南市で、生活美の豊かさをおひとりおひとりに提供する事を大事に仕事をなさっている方々。
だからこそ、新婚以来の海外旅行で、イギリスまでモリスをテーマにいらしたのだと思います。
モリスと重ねるなんて、そんな大げさなとおっしゃるかもしれませんが、
とにもかくにも、ご自分のお仕事に誇りをもっていらっしゃる−そんなお二人をモリスにご案内できて、わたしもとても嬉しかったです。
お客様からのお便りです ↓
こちらがお客様のお店です。
徳島県のオーダーカーテン専門店
San−ai (サンアイ)
リバティーデパートメントで