本当のコッツウォルズ
コッツウォルズを訪れるのは、今回で3回目になる。
1回目は、10年ぐらい前の夏にいったロンドンから大型バスでの1日ツアー。
その時は、どこにいっても人だかりと土産屋ばかり-写真を撮れば、なんかガチャガチャしたイメージになる。
ガイドブックに紹介された素敵な写真は、誰も人が来ない時に撮ったんだろう。
そこには期待していた田舎風景はなく、実質的にまわれたのは3つの村だけ。なんだか、とても物足りなかった。
2回目は、自分たちでレンタカーして、田舎道をドライブした。
でも、自分たちで行けるのは、手元のガイドブックに紹介されたところだけ。
わたしたちがみたコッツウォルズは、本当のコッツウォルズだったのだろうかと、疑問が残った。
今回は、コッツウォルズに住むガイド、日本語堪能のヴィンセントさんに彼の運転する車で案内してもらうことにした。
観光客のいかない小さな村々を巡り、その土地の歴史を紐解いてくれて、結果的に大正解。
何より、はじめてイギリスにきてくれた友人たちに、
観光化されていない 「コッツウォルズらしさ」を楽しんでもらえて、わたしも嬉しかった。
例えば、「イギリスで最も美しい村」と、ウィリアム・モリスが絶賛して、日本のガイドブックには必ず紹介されるバイブリー。
以前行った時は、小川に大型バスがズラーと並び、たくさんの観光客が集まっていた。
びっくりしたのは、彼らがほとんどアジア系の人々だった事。
イギリスの小さな村が、東洋人観光客でのっとられたって感じ・・・なんだか共犯者のようで、正直居心地が悪かった。
それを承知のヴィンセントさんは、わざわざ観光客が集まる時間帯を外して、夕方4時半すぎに到着してくれた。
待っていたのは、静かな佇まいを戻した、夢に描いたヴィレッジである。
さらに、ガイドブックによく紹介される風景は、村のほんの一角にすぎないからと、
隠れた村の裏手にも連れて行ってくれた。
そこにあったのは、きらきらした木漏れ日やせせらぎに包まれた、静寂で心打つ一幅の絵だった。
日本のひとつの県ぐらいの大きさのコッツウォルズ。
ガイドブックに紹介されるのは、ほんの一握りの村々。ひとつの村のある一面だけ。
団体バスは、当然のように、そういうスポットに集まる。
コッツウォルズはもっと奥が深いんだよと、ヴィンセントさん。
日本のガイドブックには載っていない小さな村々。
村をつなぐ清らかな小川や小道。
自然とともに生を営む人々の暮らしぶり。
そこに潜む村の歴史-村が成り立った毛織物産業の事、蜂蜜色の石の話、鳩を飼育する伝統的な習慣、伝統的な運動会の事、戦争の事・・・。
ヴィンセントさんの話が目の前に広がる風景に深みをあたえてくれる。
そんなことができるのは、やはり地元に住み、地元を愛するガイドさんだからだと、つくづく思う。
今回だって、コッツウォルズ地方を実質的にたった10時間ドライブ(ロンドンからの往復は列車)しただけだった。
それでも、10箇所ほどの村や素晴らしいイングリッシュガーデンを周ってくれた。
日本に住んだこともあるヴィンセントさんは、日本人の観光のしかたをよく心得ている。
その上で、日本のみなさんの旅行はいつも超特急で、ロンドンからの日帰りがほとんどだけれど、
本当にコッツウォルズのよさを知りたいなら、少なくとも一泊はすることだと、おっしゃる。
この人は、自分が愛するコッツウォルズの奥深さを、
日本の人たちにもっと知ってもらいたいと願いながら、ガイドの仕事をしているのだろう。
聞けば、コッツウォルズの拠点になる村々は、フットパスで結ばれており、5日ほどかければ、歩き通せるのだという。
今度は、ぜひ、5日ぐらいかけて、コッツウォルズの村々を訪ねてみたい。
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アートローグは、ヴィンセントさんと提携しています。
ロンドンのお泊りのホテルから、コッツウォルズ行きの列車までアートローグのガイドがご案内して、
ご自分たちで列車の旅(乗換えなし)を楽しんでいただき、駅についたらヴィンセントさんが迎えに来てくれます。
ロンドンから車で行くよりも、早いし、渋滞に巻き込まれないし、座席は楽だし、ストレスがありません。
その分、たっぷり、コッツウォルズを楽しんでいただけます。
詳しくは、下のリンクから
本当のコッツウォルズ-地元ガイドと専用車で旅するコッツウォルズ