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スターマンになったデビット・ボウイ:追悼

デビッド・ボウイが死んだ夜、

一番好きなアルバム、「72年、サンタ・モニカ、ライヴ」を聴きながら、このブログをかいています。

聴く度に、前には気がつかなかった彼の新しい表現をみつけて、、、今日も驚きました。

音の作り方も、ずらし方も、素晴らしいミュージシャンたちとの新しいコラボレーションの仕方も、なにより歌詞の不可解さも。

中学生の頃は、なんかとても斬新すぎて、ついていけなかった。

なにがなんだかわからないけど、綺麗な顔だし、かっこいいから、ボウイが好きと言ってただけ。

 

今朝のラジオで、18ヶ月もの長い闘病後、他界した事を聞いて、

ジョン・レノンの突然の死に匹敵する喪失感を覚えました。

レノンが死んだ時は、真夜中のコタツに入って、受験勉強のさなかだった。

ノートなんか放り投げて、深夜放送に聴きびたっていた。

ボウイの死を聞いた今は、わたしはレノンの歳を越えて、かつて彼らが活躍したロンドンに住んでいます。

ボウイの存在をもっと身近に感じることができるところに住んでいる。

だからでしょうか、ロンドン中心地での仕事の合間、自然にゆかりの地に足が向きました。

 

あの、伝説のアルバム「ジギー・スターダスト」のジャケットが撮影された場所です。

ジギー・スターダストとは、ご存知のようにボウイの想像上の分身。

宇宙のどこかの星からやってきて地球に大きな影響を与えるロックスターで、ステージ上で死をとげた想像上のヒーローです。

当時のイギリスのティーンエイジャーは、ボウイのことをジギーとよんでいたそうで、

そう信じさせるくらいリアルにジギーになりきっていたのでしょう。

背景には、今はない毛皮屋「K・WEST」の看板。

Quest=探し求める、と読めて、星の人ジギーのお気にいりだったとか。

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イギリスには、大きな功績を残した(実在の)人物のために、彼らのゆかりの地にブループレートというのがつくのですが、

その撮影場所には、想像上の人物にかかわらず、ジギーのためのプレートがついている。

ロンドンでもっとも賑やかな中心地から、少し裏道にはいった奥まったところに隠れています。

わたしが向かった昼下がりには、その裏道にはいっていくところから、ボウイの音楽がエリア全体に流れていました。

人の群れがすでにあり、ジャーナリストが集まっていました。

ジギーのプレートの下には、すでに花束が手向けられていました。分身ジギーを生み出したボウイに向けて。

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亡くなる2日前の2016年1月8日、69歳の誕生日、ボウイは最新で最後のアルバム「Blackstar」をリリースしました。

18ヶ月前からガンと闘っていたということだから、

このアルバムづくりのはじめから自分の死を覚悟して、病いと闘いながら、底知れぬ孤独と闘いながら、

最後の仕事を成し遂げたにちがいありません。

そのアルバムに収録された曲の詩には、次のようなフレーズが散りばめられているのだそうです。

「彼が死ぬ日に何かが起こる。誰か別の人が現れて、勇敢にこう叫ぶのさ、I am a Blackstar! Blackstar! と。」

「見上げてごらん、わたしは天国にいるから。わたしには君には見えない傷がある。わたしにはドラマがある-誰にも盗めないドラマが。」

昔とかわらず、不可解で不思議な魅力のある詩です。

このアルバムづくりに関わった友人は、ボウイの死への追悼でこういっています。

「彼の死は、彼の生き方と同じだよ。アートさ。 ボウイはみんなのためにBlackstarをつくったんだ。彼のさよならの贈り物なんだ」

 

駆け出しの頃から、音楽だけではなくて、ファッションも化粧もステージクラフトもすべて、

独自の美学をもって最初から自分でコンセプトをつくりあげ、納得のいく最上のできあがりを目指したスターでした。

自分の死を含め、ボウイは一貫して、彼の人生そのものをアートにした-その意味でも世に稀なアーティストなのだと思います。

ボウイ、やっぱりその死までかっこいい。

David Bowie R.I.P.

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このブログは、アートローグのディレクターによって書かれています。

アートローグは、ロンドン現地にて、ユニークな文化の旅の企画・ご案内や

日英のミュージアム・コーディネートの仕事をしています。

UKロック聖地巡礼の旅も行っています。

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