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文化を主としたロンドン現地ガイドツアー
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ロンドン・ポートレート・ギャラリー

歴史が学べる美術館


 

ポートレートギャラリー

ポートレート・ギャラリーの見どころのひとつは、肖像画を通して、英国の歴史が学べること。 教科書やテレビなどで見覚えのある、ヘンリー8世、エリザベス1世、ポール・マッカートニーやベッカムに会うことができます。

え?まるで蝋人形館じゃないかって?いやいや、ここにはもっと違う魅力があります。

なぜなら、ここでは、モデルの人となり、当時の服装、ものの考え方などが、その時代の目を通して映し出されているからです。

ポートレートを見ながら歴史を楽しくおさらいしておけば、後の旅がもっと深くなるにちがいありません。歴史に関心のあるあなたならその楽しさはもうおわかりでしょう。

また「肖像画」というと、古めかしく響くかもしれませんが、人物を描くことは、今も昔も、アーティストを夢中にさせたテーマ。

当美術館の近現代コーナーにも、デヴィッド・ホックニーやルシアン・フロイドなど、人物をテーマにしたアーティストたちの作品がたくさん並んでいます。ポートレートという最先端のアートをお楽しみください。

 


 

King Edward 2Virgin Woolf Byron

Elizabeth IGilbert & GeorgeLewis CarolHenry 8

個々のポートレートは、ご参加いただくツアーにとっておくとします。でも、せっかくですから、ここでも一点だけご紹介することにしましょう。


 返り咲いた国王

ここに一枚の小さな子どもの肖像画があります。Charles_II_Prince_of_Wales

ふっくらとしたほっぺや口元がなんとも愛らしい。白い絹地のドレス・・・良家のお嬢様でしょうか?

いえ、実は、男の子なんです。西洋の貴族階級の家では、幼児にはジェンダー関係なくドレスが着せられました。なんでだか不思議ですが、オムツを替えるには確かに便利です。

さて、この子、大きくなるとイギリスの国王になります。この絵が描かれたのは、まだ4ヶ月の時、母方のおばあさんであるフランス王妃マリー・ド・メディチに送られました。当時は写真などありませんから、外国で暮らす孫の絵をそばにおいておきたかったんでしょう。

ところで、この月齢にしては、ずいぶんしっかりした赤ちゃんだと思いませんか?お母さんも、息子のことを、「太っていて背もあって、1歳だってもおかしくないわ」と語ったとか。

でも、首がすわったかすわらないかのような赤ん坊がこんなふうにじっと動かず、前を向いていてくれるものだろうかと不可解ですが、そういえば、顔だちや服の質感以外は、どことなく不自然な感じがします。


 胃痛に効くペット?

King dog

(c)Wikipedia

それはさておき、あなたの目はこの子のひざの上の子犬にも注がれるでしょう。絵の中心にあり、まるで第二の主人公のようです。この犬は、当時英国で流行した愛玩犬スパルエルの一種。王室や貴族の女性たちが、馬車で移動するときなど、膝の上に乗せて、それで暖をとっていたのだとか・・・。この犬種は蚤を遠ざけ、胃痛に効くと信じられていたとか???

赤ちゃんチャールズも、小さな犬がかわいくてしかたがないようです。というより、犬の耳をひっぱっていますよ。犬も嬉しいのか、迷惑なのか、プリンスだからカンネンしているのか、なんともはや・・・という感じ。

 


 旺盛復古?とやら

さて、この男の子は、その後、波乱の人生を送ることになります。お父さんのチャールズ1世は、17世紀におきた市民戦争に破れ、裁判にかけられ、国王なのに、なんと首をちょんぎられてしまいます。この絵のモデルが18歳のときです。彼自身も、女装して(1歳になる前から練習してましたから!)、ヨーロッパに亡命し、再び故国の地を踏む機会をうかがっていました。

イギリスはいったんは共和制をひいたのですが、国をひとつにまとめる象徴がなんとしても必要だと考えられるようになり、亡命していたチャールズ1世の息子、つまり成長したこの男の子を国王として迎えることにしたのです。そうして、チャールズ2世が誕生しました。

彼は、パーティー大好き、女好きの、元気のよい王様でした。ロンドンが85%も燃えてしまった大火事のときも、自らバケツをもって、火消しをがんばったそうです。


 特犬階級

ところで、スパニエル犬ですが、チャールズは王様になってからも、どこにいくにも連れて行きました。他の犬はともかく、スパニエル犬だけは、たとえ議会でも入室を許されたのだとか?いまでは、「キング・チャールズ・スパニエル」と呼ばれています。

ポートレート・ギャラリーでは、この絵はもちろん、お父さんのチャールズ1世や、共和制をしいたオリバー・クロムウェル、堂々たる王様としてのチャールズ2世をはじめ、ピューリタン革命から名誉革命に至る、激動の時代を生きた歴史の主人公たちをみることができます。もちろんそれは美術館のほんの1コーナーにすぎません。

 

 


 基本情報

ナショナル・ポートレート・ギャラリー
入場料:無料 (特別展示は有料)
休館日: 12月24-26日、1月1日、
開館時間:10~18:00、木金曜は~21:00
写真撮影: 可
地図
ポートレート・ギャラリーのホームページ

アートローグでは、一館だけじっくりツアーする「ロンドン・ミュージアムツアーやポートレートギャラリーで歴史を学んでから、ロンドンの歴史地区を回る「ヒストリーウォーキングin London」を実施しています。専門家によるプライベートなギャラリーガイドです。