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白熊(はくま)祭り:誇らしきくに

昨秋、イギリス人パートナーとロンドンに住む台湾の友人と三人で、九州を旅した。彼らと一緒だからこそ、違う視点から自分の生まれたくにや文化がみえてきて、とても新鮮な経験だった。それらのいくつかを、Facebookで、「エゲレス人の見た日本シリーズ」と称して紹介してきたけれど、今日は、このブログで、そのマトメでもしてみよと思いたった。

旅で、つくづく見直したこと、我ながら誇らしく思ったことは、このくにの地域文化の豊かさである。同じ九州だって、町がかわれば、食材が違う、川をひとつ越えれば、温泉の色や匂いが違う。 小さな町や村が、それぞれの文化を色濃く残していて、人々がそれをとても大切にしている。こーんな地域文化の豊かさは、イギリスにはない。ほんとにない。もちろん、地域の方言や名物はそれなりにあるけれど、日本のその多様性に比べたら、うすぺらで、平坦とさえいえる。

なんでだろう?ひとつはっきりしてるのは、地形の複雑さ。このくにには豊かな自然がある、高い山々があり、谷川があり、海に囲まれている。島は縦に細長く、地域によって違う気候がある。地球の歴史のなかでも新しい土地だから、火山や温泉がある。そこには、多様な生物の営みがある。それがきっと、違う風景をうみ、違う感性を育て、違う食文化を育むんだろうなあ。

ええとこあるやろ~? こんなんないやろ、イギリスに? 台湾だってかなわんちゃう?なあんて、思わず心の中でつぶやいてしまった。で、なぜか関西弁。

「エゲレス人の見た日本シリーズ」の最後に、彼らもわたしも一番印象深かったものをご披露したい。それは、大分は湯平という風情ある温泉街のお祭り「白熊(はくま)祭り」、いわゆる収穫祭だ。

夜の8時ぐらいから深夜にいたるまで、石畳の温泉街を子供たちの鼓笛隊や、男性の優雅な踊り、豪快なお神輿担ぎが練り歩き、家々を祝福してまわる。「志美津」というもてなしの宿で、繊細かつ独創的な夕食をいただいてから、下駄を鳴らしてお祭りの隊列に追いついた。見ていて、ああ、これは観光客向けではなく、地元の人による、地元の人のためのお祭りだと分かった。慣れない浴衣を着たわたしら三人グループが、高台にある神社のクライマックスまで、しぶとくついていったら、祭りの中核のおひとりが、声をかけてくれた。

「どこから来たの?」

「イギリスです」

「あー、遠くから来てくれたんだね。自分、ラグビーするんだけど、イギリスのラグビーってのは、頭使わないで体当たりだね」

「あ、僕の父もラグビーやってました」・・・

そういや、お神輿担ぎの岸和田祭りにもつながる豪快さは、ラグビーのタックルのようだった。最後までついてきたことに対して逆に感謝されてしまい、特別な御祓いや、お神酒までご馳走になった。

とても豊かな一夜を、ほんとうにありがとうございます。 湯平の文化が末長く続きますように。 ちなみにビデオを撮ってくれたのは、台湾の友人です。


 

<白熊まつり:湯平温泉街石畳の坂道で> 風情ある温泉街の石畳の坂道を、お祭りの隊列が進む。重いお神輿を担いだ若者たちが、狭い道イっパイ駆け巡る。その勢いがあまりにすごいので、見物人は道の両脇に張り付いてる。

<白熊まつり:湯平温泉神社 クライマックスその1> 200段以上の階段を上がったところにある谷川神社の境内いっぱい、お神輿を振り回すとてもエネルギッシュなイベント。最後は、お神輿を神社に投げ込むようにして、安置する。終わった後に、感涙する若者もいるとか。

<白熊まつり:湯平温泉神社 クライマックスその2> お神輿が、神社に帰った後は、長い棒を操るとても優雅な踊りで締める。棒の先の白い房から、白熊の名前がついたという。


このブログは、アートローグのディレクターによって書かれています。

ロンドン現地にて、ユニークな文化の旅の企画・ご案内や

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