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ギリシャ正教のイースター

2018/4/7、ギリミシャ旅行5日目、ペルセポネス半島南にある港町、Nafplioに来ている。

紀元前の昔、ここにはケーネ文明が栄えた歴史があるが、その後、長らく、マケドニア、ローマ、ビザンチン、ベニス、トルコなど他国に支配され続けてきた。やがて19世紀になって、ギリシャが独立を果たした時、この国の首都になったのはアテネではなく、この町だという。といっても都市というよりは、ベニスを思わせる建物が並んだかわいい町だ。

その日は旧暦でイースターのグッドフライデーの日だった。

ギリシャ正教のイースターの祝い方、人々の過ごし方は、プロテスタントはもとより、カソリックともずいぶんと違う。

当日は朝から、町に点在する教会の鐘が鳴り響いた。時に不協和音を生じさせたり、時にハーモニーを醸し出したりしながら、町全体を祝祭的な雰囲気に満たしていた。

夕方になると大勢の住民が中心部にある教会に集まってきた。

年寄りも若者も、みんな黒い服を着ている。まるでお葬式のようだ。

旧市街にある歴史ある教会に行くと、中は人でごった返していた。

明るめの旋律の聖歌が教会内に響き、ろうそくが揺らめき、香しい香りで満たされ、

壁から天井には金箔を施したたくさんのイコンが並び、紫の布で飾られていた。

シャンデリアの下などさまざまなところに、イースターエッグの飾りもぶら下がっていた。

教会の中心に花で飾られたドーム型の大きな置物がある。人々はそこに向かって前へ前へとゆっくり流れていき、その置物にキスをして行った。

黒い被り物を纏った僧侶は、周囲を回り、御香や花びらや聖水を撒き散らしていた。

教会内での一連の儀式が済むと、今度は、磔刑に使われたほどの大きな十字架を先頭にして、聖書を手にした僧侶、花のドーム、聖歌隊、ろうそくをもった一般参列者という順番で列を作って、教会から出発して、町の中心部を練り歩き始めた。

やはり、ろうそくを手にした大勢の人々が、沿道に並び、その行列を見送る。

行列を見送り、花のドームを間近でみて、初めて気がついた。

これはイエス・キリストの葬列で、ドームは花で飾られたキリストの棺なのだ。

グッドフライデーとはイエス・キリストが十字架に架けられて、亡くなった日とされている。

ギリシア正教では、こうして毎年、キリスト埋葬の儀式を執り行って、彼が私たちの犠牲で処刑されたことを、思い起こすのだろう。

 

ロンドンでは形式しかほとんど残らず、卵のチョコレートが売られたり、ウサギの飾り物を飾ったりするのが目につくほどで、商業ベースになっている印象が強い。(もっともカソリック教会などは伝統的な儀式をしているところもあるけれど)でも、ギリシャではまだまだ人々の生活に根付いている気がした。

ギリシャの町では、イースターサタディーの深夜、キリストの復活を祝って花火があがるらしい。

イースターサンディーは、クリスマスと同じように、家族で祝う宴会の日だ。羊の丸焼きがメインらしい。羊って、思えば、キリストを意味するのだけど。食べちゃうのね。

4/9には、わたしたちは、山中にある違う町に移動していたが、そこの宿の人が、伝統的なイースターのお菓子をわたしたちに作ってくれた。

小麦粉と卵と蜂蜜とナッツでつくった揚げ菓子。わたしたちも少しだけ、イースターのお祝いを楽しませてもらった。