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スコットランドから世界に広まった『蛍の光』

大晦日を飾る『紅白歌合戦』。

戦後スタートだとしても、もはや日本の伝統といってよいくらいの、長寿大型テレビ番組だ。

わたしも子供の頃から、この番組が始まるまでに、大掃除とか宿題とかご飯とか必死に済ませて、

おこたに入って、みかんを食べながら、家族と見る習慣があった。

番組の最後は、いつも『蛍の光』と決まっていた。

それまで赤か白かと争っていた番組が、みーんなまるく収まって、仲良くその年にさよならする-子供のわたしには不思議だった。

小学校も高学年になり、この同じ曲がこんどは卒業式でかかることを知って、また首をかしげた。

そんなわけで、なんどもなんども耳に入るから、ずーっと日本の曲だと思っていた。

でも、音楽の教科書にこの曲がでてきて、片隅に『スコットランド民謡』とあって、超びっくりしたことをよく覚えている。

ってか、スコットランドってどこよ???

 

数十年を経て、英国に暮らすようになった。

そのはじめ英語学学校に通っていたとき、この曲が話題になった。

スコットランドでは、『Auld Land Syne』という。イングリッシュ英語では、『Old Long Since』である。

いろんな国からの学生たちが集まる教室で、わたしこの曲よく知ってるといったら、

英語もろくに話せないくせに、なんで知ってるんだと、今度はわたしがびっくりされた。

 

得意気になって、ちょこっと調べてみたら、『Auld Land Syne』はもともと、スコットランドの詩人ロバート・バーンズが書いた、古い友人との別れを惜しむ歌であることがわかった。

『蛍の光』の歌詞の意味合いとも重なるけれど、日本の方は国家に対する思いがより強い気がする。特に3番4番の歌詞など。

原曲はもっと身近な人々や故郷への思いを寄せるローカルな歌なのだ。

 

2014年は、日本のみなさんもご存知のように、スコットランドが英国から独立するか否かで国民投票をして大変な騒ぎになった。

まさに、『Auld Land Syne』は、スコットランドの人々のアイデンティティーを深める音楽だといっていい。

音楽であればこそ、さらにノスタルジックに愛郷の思いを募らせるだろう。

 

ところがである。

わたしたち日本人はこの曲に同じような愛郷の思いを重ねる。

そして、さらに調べてわかったのは、このスコットランドの曲に愛着を感じているのは、日本だけではないことだ。

インドでも、オランダでも、タイでも、韓国でも・・・・世界のさまざまな国でこの曲は親しまれているのである。

同じように古き友や故郷をしのぶ曲として。

ナショナリズムとグローバリズムとローカリズムと・・・・それを助長する音楽という媒体と。

なんか面白いなあ。

 

ちなみに、イングランドでもこの曲は非常に大事な曲です。

ロンドンでは、12月31日の大晦日深夜、まさに新しい年があけようとする前後で、

大掛かりな花火をするのですが、そのイベントの最後に見にきた大勢の人々が

隣にいる見ず知らずの人々と手に手をとって、一緒に歌うのが、この『Auld Land Syne』 です。

紅白みたく、出場しているセレブ歌手たちだけではありません。

その場に居合わせるひとびとと一体になって歌われるのです。

 

みなさんにとって、2015年が平和な年でありますように!

2014年ロンドン大晦日の映像から

 

 


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